北の国の山奥の村に住む伊作、多助、太郎右衛門という三人の百姓は、炭を売りに行く途中の峠道で捨てられた赤ん坊を見つける。赤ん坊の懐には小判が隠されており、欲深な伊作と多助はそれを分け合うが、無欲で馬鹿正直な太郎右衛門は金を受け取らずに赤ん坊を引き取る。太郎右衛門と妻はその子を「朝太郎」と名付け、貧しいながらも我が子として深い愛情を注いで育てた。一方、金を手にした伊作は居酒屋を開くが、入り浸る多助と金のことで喧嘩が絶えなくなり、二人の友情は崩壊してしまう。朝太郎が四歳になった秋、村の庄屋のもとに城下から代官が訪れる。代官は、朝太郎が悪者の手から逃れるために密かに捨てられた殿様の後継ぎであることを明かし、証拠の書き置きを確認すると、朝太郎を立派な駕籠に乗せて城下へ連れ帰る。太郎右衛門夫婦には莫大な金が残されたが、太郎右衛門は金を喜ぶことなく、朝太郎が嫌になったらいつでも家に戻ってくるように伝えてくれと、悲しみに暮れて涙を流すのだった。
役割主人公・家族
馬鹿正直で心の優しい百姓。小判に目が眩んだ仲間たちとは異なり、無欲のまま捨児の朝太郎を引き取り、深い愛情を注いで育てる。
役割家族・協力者
太郎右衛門の妻。子宝に恵まれなかったため、夫が拾ってきた朝太郎を我が子のように深く愛し育てる。
役割触媒・犠牲者
峠で捨てられていたところを太郎右衛門に拾われた赤ん坊。実はお家騒動を避けるために捨てられた殿様の後継ぎである吉松様。
役割対照キャラ
太郎右衛門の百姓仲間。捨児の懐にあった小判を着服して居酒屋を開き成功するが、金が原因で多助との仲は険悪になる。
役割対照キャラ
太郎右衛門の百姓仲間。小判の分け前を得るが、伊作の居酒屋にツケで入り浸るようになり、喧嘩を繰り返す惨めな生活を送る。
役割脇役
村の庄屋。城下から来た代官から朝太郎の身分を知らされ、太郎右衛門の家へと代官を案内する。
役割触媒
城下から村へやってきた役人。朝太郎の素性を明かし、殿様の跡継ぎとして立派な駕籠で城へ連れ帰る。
拾い上げて深い愛情を注いで育てた養子
夫婦
一緒に炭を売りに行く百姓仲間
かつては仲の良い仲間だったが、小判を得てからは金のことで喧嘩が絶えない関係
村を治める庄屋として代官の命に従う
時代背景
江戸時代頃
場所
北の国の山奥にある小さな村と城下へ続く峠道
国
日本
- 無欲で純粋な愛情と、金銭欲によって崩壊する人間関係の対比
- 身分を超えた育ての親の無償の愛と、引き裂かれる親子の悲哀