あらすじ
パリで画学生として自炊生活を送っていた「私」は、同居しているハワイ出身のアメリカ人と怪談話をした。その男は、彼がハワイの伯母の家に身を寄せていた南北戦争当時の不思議な出来事を語る。ある夜、義勇兵として出征していた伯母の息子(彼にとっては従兄)が、家の外で「お母さん」と呼ぶ声が聞こえた。伯母とともに玄関を開けたが、そこには誰の姿もなかった。後日、無事に凱旋した従兄にその話をすると、まさにその日、従兄は激戦で足を撃たれて倒れており、寒空の下に放置された苦しみから思わず母親を呼んで叫んだのだという。「私」は、これもテレパシーという現象なのだろうと結論づける。
登場人物4人
私わたし
知者男性画生学生
役割主人公・語り手
巴里でハワイ生まれの米国人と同居し自炊生活を送っていた画学生。同居人の体験談を聞き、それをテレパシーによる現象だと解釈する。
同居人の男どうきょにんのおとこ
放浪者男性画生学生
役割語り手・脇役
布哇出身で、銀行家の推薦により巴里の美術学校へ留学している米国人。過去に伯母の家で体験した不思議な出来事を「私」に語る。
従兄いとこ
犠牲者男性義勇兵軍人
役割触媒・犠牲者
同居人の男の従兄。南北戦争に義勇兵として出征し、負傷して戦場に取り残された夜、苦痛のあまり故郷の母を呼ぶ声を上げる。
伯母おば
守護者女性その他
役割家族
従兄の母親であり同居人の男の伯母。深夜に息子の声を聞き、心配して玄関まで確認に出た。
人物相関4件
私同居人の男友人
巴里での同居人であり画学生の仲間
同居人の男従兄家族
従兄
伯母従兄家族
息子
同居人の男伯母家族
伯母で、一時期寄寓していた相手
舞台
時代背景
19世紀末頃(回想部分は南北戦争当時)
場所
フランス・パリの部屋(回想はハワイおよびアメリカの戦場)
国
フランス、アメリカ合衆国
テーマ
- 遠く離れた家族との間に生じるテレパシー
- 戦場での苦難と故郷への思慕
キーワード
巴里布哇南北戦争テレパシー怪談義勇兵