結婚して間もない里村道助と妻は、早くも生活に倦怠を感じ始めていた。ある日、道助は旧友の画家・遠野の画室を訪れる。遠野は自由奔放な生活を送り、モデルのとみ子とともに享楽的な態度を見せつける。道助は自分の堅苦しい生活との落差に反発し、逃げるように帰宅する。帰宅後、道助は結婚前の創作原稿を取り出して自己の内面世界に没頭しようとするが、妻は夫が自分を締め出し秘密の世界を築いていることに不満を募らせ、夫婦間の心理的断絶が深まっていく。そんな中、遠野から結婚祝いに贈られた小鳥が世話をされず衰弱していく。苛立った道助は家を飛び出し、街で偶然とみ子を見かけて後を追うが、遠野との約束がある彼女にからかわれてあしらわれる。翌朝、遠野が突然家を訪れ、妻の肖像画を描こうとする。遠野の挑発的な態度と、それに当てつけのように応じようとする妻の振る舞いに道助の苛立ちは限界を迎える。妻は傍らで泣き崩れ、夫婦の埋めがたい亀裂が決定的なものとして露わになる。
役割主人公
結婚して間もないが既に生活に倦怠を感じ、創作の世界に没頭しようとする青年。妻に対して冷淡であり、自由な旧友に反発しつつも内心では惹かれている。
役割家族・対照キャラ
道助の妻。夫の心が見えず、秘密を隠し持たれていることに疎外感と不満を抱き、次第に神経をすり減らしていく。
役割触媒・対照キャラ
道助の古くからの親友で独身の画家。奔放で享楽的な生活を送っており、道助の閉鎖的な結婚生活を揶揄して揺さぶりをかける。
役割触媒
遠野のモデルを務める若い女性。肉感的な魅力と奔放な性格を持ち、道助の心を惹きつけつつもからかい、翻弄する。
結婚して間もないが、互いにすれ違いと倦怠感を抱いている夫婦
旧友であり、自由奔放な生き方に対して嫉妬と反発を感じる相手
自身が描く絵のモデルであり、享楽的で親密な関係を持つ
からかいの対象として扱い、道助を翻弄する
時代背景
大正時代
場所
郊外にある遠野の画室、道助の自宅、市電の通る街中
国
日本
- 結婚生活の倦怠と夫婦間の心理的断絶
- 自由な他者への嫉妬と自己の閉鎖性
- 内心の秘密と現実のすれ違い