生霊

小泉 八雲

青空文庫で読む
近世東京英米小説
怪異・幻想家族・血縁
あらすじ

江戸霊岸島の瀬戸物店主人・喜兵衛は、番頭である六兵衛の甥を手代として雇い入れる。甥の卓越した商才によって店は一層繁盛するが、やがて彼は原因不明の重病に伏してしまう。心配した六兵衛が理由を問いただすと、甥は女主人の生霊に首を絞められる幻覚に昼夜を問わず苦しめられていると告白する。驚いた喜兵衛が妻を問い質すと、彼女はお人好しな一人息子が将来有能な手代に財産を乗っ取られるのではないかと恐れるあまり、無意識のうちに手代の死を強く念じていたことを認める。喜兵衛は妻を戒め、事態を収拾するために別の町に支店を設け、六兵衛と甥をそこへ移らせる。手代が本店を離れたことで生霊の幻覚は現れなくなり、甥は無事に健康を取り戻した。

登場人物4
六兵衛の甥ろくべえのおい
犠牲者
男性22手代商人

役割主人公・犠牲者

六兵衛の甥で、大阪で商売を学んだ有能な若者。その商才ゆえに女主人の警戒と憎悪を買い、生霊に命を狙われる。

喜兵衛の妻きへえのつま
狂信者
女性瀬戸物店の女主人商人

役割敵役・家族

喜兵衛の妻。お人好しな我が子を有能な手代から守りたいという強すぎる思い込みから、無意識のうちに生霊を飛ばして手代を苦しめる。

喜兵衛きへえ
調停者
男性瀬戸物店主人商人

役割協力者・家族・脇役

江戸霊岸島にある瀬戸物店の主人。手代が直面している危機を知り、妻を諭して支店を設けることで事態を平和的に解決する。

六兵衛ろくべえ
守護者
男性番頭商人

役割協力者・家族・脇役

長年喜兵衛の店を支えてきた番頭。原因不明の病に伏した甥を親身になって心配し、生霊の事実を聞き出して主人に相談する。

人物相関4
喜兵衛の妻六兵衛の甥対立

一方的に警戒心を抱き、生霊となって命を奪おうと苦しめる

六兵衛六兵衛の甥家族

叔父と甥の関係であり、手代として呼び寄せ親代わりとなって世話を焼く

喜兵衛喜兵衛の妻家族

夫婦

喜兵衛六兵衛主従

店の主人と長年勤める信頼の厚い番頭

舞台

時代背景

江戸時代

場所

江戸・霊岸島の瀬戸物店

日本

テーマ
  • 過度な猜疑心と憎悪が引き起こす生霊の恐怖
  • 家族を守ろうとする愛情から生じる狂気と執着
キーワード
生霊瀬戸物店手代番頭幻覚憎しみ