トンカトントンカッタカッタ

今野 大力

青空文庫で読む
昭和前期日本小説
階級・貧富犠牲・献身
あらすじ

製縄工場を舞台に、過酷な労働環境で働く女工たちの悲惨な日常が描かれる。身重の女工が床の縄くずに足を取られて転倒し、半死半生の苦痛の中で初産を強いられる。また、工場の内儀が機械の性能を見せびらかそうとして誤って手を巻き込まれ、手首を切断する凄惨な事故が起きる。見習いの女工は作った縄を帳場に蹴落とされながらも、子連れで過酷な労働を続ける。一番の古参である老女工は、手がすり切れて血が滲むほど早朝から夜遅くまで働いても、わずかな賃金しか得られない。老女工が「工場は三百円でも買い手がない」と語る一方で、会社はこの工場に五万円という莫大な保険金をかけており、労働者たちが知る由もない資本主義の搾取構造が浮き彫りになる。

登場人物6
若い女工わかいじょこう
犠牲者
女性女工労働者

役割犠牲者・脇役

身重の体で工場で働いており、床の縄くずに足をとられて転倒し、半死半生の苦痛の中で初産を強いられた。

縄屋の内儀なわやのないぎ
没落者
女性工場の内儀富裕層

役割対照キャラ・犠牲者

工場の経営者側。亭主が発明した藁打機の効能を客に見せようとして自ら手を機械に入れ、片手を切断する大怪我を負う。

見習いの女工みならいのじょこう
犠牲者
女性女工労働者

役割犠牲者・脇役

子供を背負ってボロ機械で縄を編む。帳場に縄を蹴り飛ばされるなど冷遇されても、生きるために働き続ける。

老女工ろうじょこう
犠牲者
女性50女工労働者

役割主人公・犠牲者

工場で一番の古参。手がすり切れて血が出るほど早朝から深夜まで働き続けるが、極めて低賃金で搾取されている。

帳場ちょうば
支配者
男性工場の帳場会社員

役割敵役・脇役

見習いの女工が作った縄をゴム長靴で蹴飛ばすなど、労働者を冷酷に扱う管理者。

自分じぶん
凡人
その他・不明その他

役割語り手

工場の悲惨な出来事や女工たちの過酷な労働状況、莫大な保険金がかけられている事実を観察し語る人物。

人物相関1
帳場見習いの女工対立

出来の悪い縄を作った見習い女工を冷酷に扱う管理者

舞台

時代背景

昭和前期

場所

製縄工場

日本

テーマ
  • 過酷な工場労働と労働者の搾取
  • 資本家と労働者の圧倒的な経済的格差
  • 労働災害の悲惨さと人命の軽視
キーワード
女工製縄工場藁打機労働保険金