あらすじ
二人の神の子である光と匂は、主である男神のために下界の絶壁に美しい草花を集め、見事な花の寝床を作り上げる。やがてそこに、継母からの過酷な虐待に苦しむ貧しい十四、五歳の少女が迷い込む。少女は家に残した妹を案じて帰宅をためらっており、花の美しさに惹かれて深い眠りに落ちてしまう。天上の高殿からそれを見た男神は、哀れな少女を苦難から救い出して天人にしようと決意する。男神は光と匂を連れて下界に降り、眠る少女を美しい音楽と露で清め、天へと導き上げる。しかし、途中で目を覚ました少女は天上界の美しさに驚きつつも、残してきた妹も一緒に連れていきたいと願い、天上へ昇ることを拒否する。神の子たちの制止を振り切って自ら地上へと飛び降りた少女が、泥のように動けぬまま目を覚ますと、彼女の足元には赤い月が昇り始めていた。
登場人物5人
光ひかり
超越者その他・不明
役割協力者
白き羽を持つ神の子。男神のために地上に美しい花の寝床を造り、少女を天上界へ誘う手助けをする。
匂におい
超越者その他・不明
役割協力者
黄なる羽を持つ神の子。光の作業を助け、怪我をしながらも藤の花の幕を張り、音楽を奏でて少女を導く。
少女しょうじょ
犠牲者女性14歳農民
役割主人公
ボロボロの着物を着た貧しい少女。継母から過酷な折檻を受けているが、同じく虐待される妹を深く愛し、天上からの救済を自ら拒む。
男神おがみ
超越者男性
役割師匠・導き手
天上の高殿に住まう神。下界で眠る悲惨な境遇の少女を哀れみ、救い出して天人にしようとする。
女神めがみ
超越者女性
役割脇役
男神の伴侶。男神が下界の美女に心惹かれることを警戒し、嫉妬心から下界での振る舞いに釘を刺す。
人物相関3件
光匂友人
共に協力し合って男神のための遊び場を造る神の子の仲間
光男神主従
男神の命令に従い働き、少女を導く関係
男神女神家族
天上の高殿に共に住まう伴侶
舞台
時代背景
不明(人間界と天上界が交わる神話的な時代)
場所
切り立った絶壁の上の花畑のある森、および天上の高殿
国
日本
テーマ
- 天上界の究極の美や救済と、地上の人間が抱く愛や苦悩の対比
- 自身の救済よりも妹を思いやる自己犠牲の精神
- 自然の花々や音楽に象徴される幻想的で清らかな美の世界
キーワード
花神の子天上折檻妹夢月