銀河鉄道の夜

宮沢 賢治

青空文庫で読む
架空架空・異界日本小説
犠牲・献身孤独・疎外死・無常道徳・倫理
あらすじ

貧しく孤独な少年ジョバンニは、活版所で働きながら病気の母を支えている。ケンタウル祭の夜、同級生のザネリたちにからかわれて町を飛び出したジョバンニは、町外れの丘にある天気輪の柱の下で夜空を見上げる。気づくと彼は銀河鉄道の客車内に座っており、前の席には親友のカムパネルラが乗っていた。二人は銀河を走る列車の中で、鳥を捕る男や、沈没船の事故で命を落とした家庭教師と姉弟など、さまざまな乗客たちと出会い別れていく。道中、彼らは「みんなの本当の幸い」のために生きることを互いに誓い合う。サウザンクロスを過ぎて他の乗客が降りた後、天の川の暗黒の孔「石炭袋」を目にした直後、カムパネルラは突然車内から姿を消してしまう。泣き叫んだジョバンニは、元の丘の草の上で目を覚ます。町に戻ると、ザネリが川に落ち、彼を助けようと飛び込んだカムパネルラが溺れて行方不明になっていることを知る。親友の死という残酷な現実を悟ったジョバンニは、悲しみを胸に抱えながら、待っている母に牛乳を届けるために家へと走り出す。

登場人物9
ジョバンニじょばんに
求道者
男性学生・活版所のアルバイト学生

役割主人公

貧しく孤独な少年。活版所で働きながら病気の母を支え、銀河鉄道の旅を通して「本当の幸い」を探し求める。

カムパネルラかむぱねるら
守護者
男性学生学生

役割協力者・犠牲者・対照キャラ

ジョバンニの親友。優等生で思いやりがあり、現実世界では川に落ちた同級生を助けようとして命を落とす。

ザネリざねり
凡人
男性学生学生

役割敵役・触媒

ジョバンニをからかう同級生。烏瓜のあかりを流す際に川に落ち、カムパネルラに助けられる。

ジョバンニのお母さんじょばんにのおかあさん
凡人
女性その他

役割家族

病気で寝たきりとなっているジョバンニの母親。夫の帰りを待ちつつ、ジョバンニを気遣っている。

鳥を捕る人とりをとるひと
道化
男性鳥捕り商人

役割脇役・対照キャラ

銀河鉄道に乗り合わせてくる男。鷺や雁を捕まえて食用(お菓子)として売るという、世俗的でたくましい生き方を見せる。

青年せいねん
守護者
男性家庭教師知識人

役割脇役・師匠・導き手

沈没船の事故で教え子の姉弟を守り、共に命を落とした家庭教師。キリスト教的な自己犠牲と救済の精神を語る。

かおるかおる
犠牲者
女性12富裕層

役割脇役

沈没船の事故で命を落とし、青年と共に銀河鉄道に乗ってきた少女。

タダシただし
犠牲者
男性6富裕層

役割脇役

かおるの弟。姉や青年と共に船の事故に巻き込まれ、天国へ向かう旅に同乗している。

博士はかせ
知者
男性博士知識人

役割家族・脇役

カムパネルラの父親。息子が川に落ちて行方不明となった現場で、冷静に絶望的な状況を判断しつつジョバンニを気遣う。

人物相関5
ジョバンニカムパネルラ友人

親友であり、銀河鉄道を共に旅する相手

ジョバンニザネリ対立

不在の父親のことでジョバンニをからかう同級生

ジョバンニジョバンニのお母さん家族

病気で寝たきりの母と、その世話をする息子

青年かおる師弟

家庭教師と教え子の関係

博士カムパネルラ家族

父親と息子

舞台

時代背景

架空の時代(近代的な町並みや活版所が存在する時期)

場所

ジョバンニの住む町および銀河鉄道の車内

架空の国

テーマ
  • みんなの本当の幸いとは何かという探求
  • 他者のための自己犠牲
  • 生と死の境界と魂の救済
  • 過酷な現実に直面する少年の内面的成長
キーワード
銀河鉄道本当の幸いケンタウル祭烏瓜のあかり天気輪の柱サウザンクロス切符