明治海外ドイツ小説
死・無常孤独・疎外怪異・幻想
あらすじ

保険会社の役人テオドル・フィンクは、病気で死に瀕している弟を見舞うため、ウィーンからニッツアへ向かう途中、ヴェロナの駅で夜中の乗り継ぎ待ちをすることになる。暗く不気味な二等待合室で、フィンクは同じく汽車を待つ見知らぬ若い女の声に話しかけられる。自身も病気で故郷に帰る途中だというその女は、世間から隔絶された真っ白な部屋で妹のアガアテとともに過ごす静謐な生活について、まるで夢のように語り続ける。死や彼岸を強く暗示する女の謎めいた告白に対し、その意味を全く理解できないフィンクは得体の知れない恐怖に駆られ、逃げるように待合室を飛び出して明け方の町へと走り去る。

登場人物4
テオドル・フィンクておどる・ふぃんく
凡人
男性保険会社の役人会社員

役割主人公

保険会社の役人。病気の弟を見舞うためにウィーンからニッツアへ向かう道中、ヴェロナの待合室で不可解な恐怖に直面する。

若い女わかいおんな
超越者
女性

役割触媒・その他

ヴェロナの暗い待合室でフィンクに話しかけてきた声の主。病気で故郷に帰る途中であり、死や彼岸を暗示する白い部屋の物語を語る。

おとうと
犠牲者
男性

役割家族・触媒

フィンクより7歳年下の異母弟。ニッツアで重い病を患っており、感情が鋭敏で兄からは苦手意識を持たれつつも哀れまれている。

アガアテあがあて
守護者
女性

役割家族

若い女の語る物語に登場する妹。尼の被り物のような白い帽子を被り、世間のことを何も知らずに姉と心を通わせている。

人物相関2
テオドル・フィンク家族

7歳年下の異母弟。フィンクは見舞いに向かっているが、性格が合わず内心では死んだ方が本人のためではないかと考えている。

若い女アガアテ家族

妹。外界から隔絶された白い部屋で、互いに深く理解し合いながら穏やかに過ごす間柄。

舞台

時代背景

3月頃の夜中から明け方

場所

ヴェロナ・ヴェッキア(古ヴェロナ)の駅の二等待合室

イタリア

テーマ
  • 生と死の境界としての夜の待合室
  • 他者の内面や死生観に対する理解不能な恐怖
  • 死を暗示する白と静寂のイメージ
キーワード
待合室白い間病気汽車