元赤穂藩士の毛利小平太は、主君の仇・吉良上野介を討つための連盟に加わり、江戸で同志と同宿しながら吉良邸を探索していた。その最中、浅野家の元家臣の娘であるおしおと偶然再会し、秘密裏に恋仲となる。討ち入りの日が近づくにつれ、同志たちが死の覚悟を固め、あるいは恐れをなして脱盟していく中、小平太の心には死への恐怖と身ごもったおしおへの未練が募っていく。自らの弱さを断ち切るため、小平太はおしおを殺害しようとするが実行できず、すべてを打ち明ける。おしおは彼を助命し、討ち入りへ向かうよう送り出す。しかし討ち入り当日、小平太は恐怖から江戸の街をあてもなく彷徨い、集合時刻に遅れてしまう。翌日、同志たちが討ち入りを成功させたことを瓦版で知った小平太は、絶望と自己嫌悪を抱えながらおしおの元へ向かい、自身の臆病さを告白する。おしおは彼を責めず、世間から笑われようとも共に生きていく決意を語り、二人は夜明け前に誰にも知られず姿を消す。
役割主人公
赤穂浪士の一人。討ち入りのため江戸に潜伏するが、死への恐怖と恋人への未練から心が揺れ動き、土壇場で大義から脱落する青年。
役割恋愛対象・協力者
浅野家元家臣の娘。親を亡くして茶店で働いていたところ小平太と再会し、恋仲となり身ごもる。臆病な彼を受け入れ共に生きる覚悟を決める。
役割対照キャラ
小平太と同宿する急進派の同志。討ち入りに向けて狂信的なほどの情熱を持ち、脱落者を激しく非難する。
役割脇役・対照キャラ
江戸における急進派の中心人物。冷静かつ着実に討ち入りの準備を進める。
役割師匠・導き手
赤穂浪士の頭領。討ち入りの計画を大局的に指導し、同志たちから深い敬愛を集めている。
役割家族・対照キャラ
小平太の実兄。主家への累が及ぶことを恐れ、弟の身を案じるふりをしながら討ち入りの連盟から抜けるよう迫る。
役割対照キャラ
小平太と同宿していた浪士。討ち入りの直前に同志の金を盗み、遊女と共に逃亡する。
恋人。偶然再会し逢瀬を重ねるうちに身ごもらせる
同宿の同志であり、彼の大義に燃える姿に圧倒されている
実の兄。討ち入りからの離脱を迫られる
討ち入りの頭領として深く敬愛している
金を盗んで逃亡した同志として激しく憎悪し非難する
時代背景
江戸時代中期(元禄期)
場所
江戸(本所、亀戸、両国周辺など)
国
日本
- 武士道という大義と、個人の死への恐怖・生への執着の葛藤
- 英雄的集団からこぼれ落ちる人間の弱さと自己受容
- 社会的な名誉を失うことと引き換えに得る個人的な愛と生きる覚悟