天竺への旅の途上、沙悟浄は仲間たちの三者三様の生き方を観察し、思索を巡らせている。過去に釈迦如来によって五行山に封じられた経験を持ちながらも、現在では純粋な情熱と天才的な行動力で目前の出来事に全力で挑む孫悟空。現世の快楽を誰よりも愛し、その底にある種の絶望を隠し持つ猪八戒。そして、妖怪にすぐ捕まるほど肉体的に無防備でありながら、自己の悲劇的な運命を受容して決して内面を揺るがせない三蔵法師。悟浄は、常に彼らを観察する傍観者や調節者にとどまっている自分に焦燥を覚え、荒々しい悟空の懐に飛び込んで本気でその生き方を学び取ろうと決意する。あるうすら寒い夜、野宿の中で孤独に星空を見上げていた悟浄は、三蔵法師の澄んだ眼差しが、永遠の視座から地上の万物の滅亡とそれに抗う善きものへ向けられた深い憐憫であることに気づき、心の奥に温かな光を感じるのだった。
役割主人公・語り手
天竺への旅の仲間を冷静に観察する妖怪。傍観者にとどまりがちな自分に焦りを感じており、悟空から真の行動や生き方を学び取ろうと葛藤している。
役割対照キャラ・師匠・導き手・協力者
圧倒的な戦闘力と行動力を持つ天才的な猿の妖怪。自己の目的に向かって純粋に突進し、過去や生命への執着を持たず、常に全力で燃え盛るように生きている。
役割対照キャラ・協力者
変化の術の修行に身が入らない豚の妖怪。現世のあらゆる快楽を愛する享楽主義者だが、その内面には薄氷を踏むような恐怖と絶望を秘めている。
役割師匠・導き手・対照キャラ
肉体的には驚くほど無防備で弱いが、自己の悲劇的な運命を悟り、永遠の視点から万物に深い憐憫を注ぐ強靭で崇高な精神を持つ一行の師。
圧倒的な天才として畏敬し、自らの殻を破るためにその生き方を学び取ろうとする対象
享楽的な生き方を観察しつつ、その根底に潜む絶望感を見抜いている相手
内面的な精神の強さと万物への憐憫を心から尊敬している師
世話が焼けると口では文句を言いつつも、本能的にその美しさや貴さを畏敬している師
時代背景
天竺への取経の旅の途上
場所
山中、廃寺、荒野などの道中
国
中国、インド
- 天才と凡人の対比
- 多様な生き方の肯定
- 永遠と滅亡に対する憐憫