D飛行場を出発した旅客機の中で事件が起きる。H飛行場に到着すると、乗客の銀行家・秀岡が額を砕かれて惨殺されており、生糸商人の綿井が行方不明になっていた。その後、綿井が落下傘とともに墜死体で発見され、秀岡が所持していた大金が消えていることが判明する。秀岡によって一家を破産させられた過去を持ち、飛行中に彼を脅迫していた機関士の三枝に殺人の容疑がかけられる。操縦士の池内は同僚である三枝の無実を証明するため、飛行中の地上風景を克明に記憶していたことで自身のアリバイを成立させ、事件の真相を推理する。池内は、途中で異常接近してすれ違った練習機から鋼鉄の鋲が弾丸のように外れて飛び、秀岡の頭に命中して不慮の死をもたらしたことを見抜く。商売に失敗し飛行機から飛び降り自殺する予定だった綿井は、偶然秀岡の死を目撃して魔が差し、大金を奪って落下傘で脱出したが、操作に不慣れだったため墜死したのだった。池内の推理によって事の顛末が明らかになり、三枝の疑いは晴れる。
役割主人公
旅客機の操縦士。相棒である三枝の無実を晴らすため、自らの記憶と論理的思考を駆使して空の上の密室事件の謎を解き明かす。
役割脇役・協力者
旅客機の機関士。秀岡によって一家を破産させられた過去を持ち、機内で彼を脅迫したため殺人容疑をかけられる。
役割犠牲者
R銀行の頭取で、大金を持って旅客機に乗り合わせた。他人の一家を平然と破産させる冷酷な人物だが、高空で予期せぬ事故により命を落とす。
役割犠牲者・触媒
商売に失敗し自殺目的で旅客機に乗った生糸商人。秀岡の不慮の死に乗じて金を奪い逃走を図るが、落下傘の扱いに失敗し命を落とす。
共に旅客機に乗務する操縦士と機関士。強い信頼関係にある。
三枝の一家を破産させた因縁の相手であり、機内で三枝から脅迫される。
時代背景
昭和初期
場所
D飛行場からH飛行場に向かう空路の旅客機内
国
日本
- 密室と化した飛行機内での不可解な死と真相の究明
- 出来心の犯罪に対する皮肉な結末
- 同僚を信じ救おうとする論理的な推理