あらすじ
三人兄弟の末っ子であるうたちゃんは、来年から幼稚園に通う女の子である。世話好きで賢いが、絵本を読んでも自分でお話を作ってしまうため、文字をなかなか覚えようとしなかった。語り手である親は、せめて名前だけでも書けるようにと文字を教えようとするがうまくいかず、代わりに「の」の字を教え始める。うたちゃんは苦労しながらも「の」の字の読み書きを習得する。それ以来、うたちゃんは新聞や雑誌の活字だけでなく、コマの紐、カタツムリの殻、唐草模様、兄のつむじなど、日常のあらゆるものの中に「の」の字を発見するようになる。ある日、丸まったミミズを「の」の字が生きて動いていると言って皆に笑われ、うたちゃんはしょげてしまう。しかし語り手が彼女を優しく慰め、他にもたくさんの字があることを教えると、うたちゃんは大きく頷く。語り手は、彼女がやがてすべての文字を覚え、世界中の物事を読み解くようになるだろうと温かく確信する。
登場人物3人
うたちゃんうたちゃん
求道者女性その他
役割主人公
三人兄弟の末っ子で来年から幼稚園に通う女の子。文字を覚えるのが苦手だったが、「の」の字を覚えてから世界中のあらゆるものに「の」の形を見出すようになる。
わたしわたし
知者その他・不明その他
役割語り手・家族・師匠・導き手
うたちゃんの親であり物語の語り手。文字を覚えようとしないうたちゃんに「の」の字を教え、彼女の世界の広がりを温かく見守る。
なき虫の兄なきむしのあに
凡人男性その他
役割家族・対照キャラ
うたちゃんの二つ上の兄。泣き虫だが、小さい頃から野球かるたなどで自然と文字を覚えていたため、うたちゃんとの対比として描かれる。
人物相関2件
わたしうたちゃん家族
自分の娘(三人兄弟の末っ子)
うたちゃんなき虫の兄家族
二つ上の兄
舞台
時代背景
近代(大正から昭和前期頃)
場所
うたちゃんの家とその周辺(縁側や庭)
国
日本
テーマ
- 幼児の成長と文字との出会い
- 子どもの豊かな想像力と世界に対する発見
- 家族の温かい見守りと教育
キーワード
幼稚園絵本野球かるたのの字カタツムリミミズ