あらすじ
作家である「私」は、脳軟化症や神経痛に苦しむ妻・とくの看病を続けている。ある夜の看病後、妻は嘔吐や布団の小火などの騒ぎを経て意識不明に陥る。数日間の昏睡状態が続いた後、妻は少しの苦痛も見せずに安らかに息を引き取る。「私」は看病時の自身の態度に後悔を覚えるが、妻の穏やかな死顔を前に実感が湧かない。葬儀を終え、弔問客や親族が去って一人になると、「私」は妻の喪失による巨大な空洞を感じ、抑えきれない涙を流すようになる。一方で、残された子供たちは母の死を乗り越え、無邪気で力強い生命力を見せながら日常を取り戻していく。「私」は彼らの中に妻の命が続いていることを感じつつも、虚無感と深い悲しみを抱えて日々を送る。
登場人物5人
私わたし
没落者男性作家知識人
役割主人公・語り手
長年連れ添い、病に倒れた妻を看病する作家。妻の死後に大きな喪失感と無気力に陥る。
とくとく
犠牲者女性46歳主婦知識人
役割家族・犠牲者
私の妻。脳軟化症や神経痛に苦しみ、意識不明になった後、静かに息を引き取る。
長男ちょうなん
守護者男性学生知識人
役割家族・協力者
私の長男。小野医師を呼びに行ったり、母の看病を手伝い、葬儀後は遺骨を抱いて帰る。
和夫かずお
道化男性12歳学生知識人
役割家族・対照キャラ
私の末子。母の死後も無邪気に遊び、元気な姿を見せることで私の虚無感と対照的な生命力を示す。
小野医師おのいし
知者男性医師知識人
役割協力者・脇役
妻の主治医。妻の容態を診察し、医学的な助言を与えながら最期を看取る。
人物相関3件
私とく家族
長年苦労を共にしてきた妻
私長男家族
長男
私和夫家族
四男で末子
舞台
時代背景
戦後の昭和
場所
東京の自宅
国
日本
テーマ
- 長年連れ添った配偶者の喪失による深い虚無感と哀しみ
- 闘病と死の受容における夫婦の愛情のあり方
- 死んでいく者と生き続ける子供たちの対比
キーワード
時計の音青い空涙空洞電気炬燵