松の操美人の生埋

宇田川 文海

青空文庫で読む
明治関西日本小説
美・芸術
あらすじ

東京生まれの半痴居士は、地方に移住して以来、愛好する市川団十郎の演劇と三遊亭円朝の落語を見られないことを残念に思っていた。明治17年に上京した際にも彼らの芸に触れることは叶わなかった。翌18年の夏、避暑で有馬温泉を訪れた居士は、真宗の僧侶である無々君と出会い親交を深める。二人は文章と話し言葉の表現力について議論し、無々君は人の感情を動かす上で言文一致の言語表現がいかに優れているかを説き、特に円朝の話芸を比類ないものとして絶賛する。居士もこれに深く共感し、ますます円朝への敬意を深めていく。その後、書肆駸々堂の主人が、円朝がフランスの小説を翻案して演じた『美人の生埋』の筆記本を持ち込み、居士に序文の執筆を依頼する。一読してその内容の素晴らしさに感銘を受けた居士は、自身のこれまでの思いを込めて序文を書き上げる。

登場人物3
半痴居士はんちこじ
求道者
男性文筆家知識人

役割主人公・語り手

東京生まれだが地方に移住した文人。市川団十郎と三遊亭円朝の芸をこよなく愛しており、彼らの舞台を観られないことを嘆いている。

無々君むむくん
知者
男性僧侶宗教家

役割脇役・触媒

有馬温泉で居士と相部屋になった真宗の僧侶。説教に長け、言文一致の重要性と円朝の話芸のすばらしさを熱弁する。

三遊亭円朝さんゆうていえんちょう
道化
男性落語家職人

役割その他

類まれなる話芸を持つ落語家。本編には直接登場しないが、居士と無々君の会話の中心となり、その芸の高さが絶賛される。

人物相関1
半痴居士無々君友人

有馬温泉で同宿し、文章と言語の優劣について議論を交わした仲

舞台

時代背景

明治9年から明治20年にかけて

場所

有馬温泉、および居士の滞在先

日本

テーマ
  • 言語と文章の表現力の比較
  • 言文一致の重要性
  • 大衆芸能と話芸の芸術的価値
キーワード
三遊亭円朝市川団十郎言文一致有馬温泉美人の生埋