本作は「今は亡き俳優手配師の備忘録」として語られる、演劇界にまつわる六つの逸話を集めた物語である。第一話では、厳格な富豪バートンが偶然観劇した寸劇で勘当した娘の困窮と愛情を知り、己を省みて家族と和解する。第二話では、大富豪の娘オードリが女優になる野望を叶えるため、興行師と組んで失踪騒動を自作自演しロンドンの舞台で大成功を収める。第三話では、貴族の婦人が屋敷に招いた劇団の代役女優が、実は刑務所を脱走した女囚であり、見事な演技を披露したのち宝石を奪って逃走する。第四話では、人気俳優ハーコートが他人の台本を盗作して自作と偽るが、秘書ドロシーと手配師ジャーマンの機転で不正が暴かれ、真の作者であるドロシーの恋人が見出される。第五話では、地方を巡業する劇団が権利書を偽造した借金取りに売上を狙われるが、道化役者が蛇使いに扮して男を暗闇で脅し上げ、劇団の窮地を救う。第六話では、オーストラリア奥地で歌劇団が山賊に襲撃され手錠をかけられるが、手錠抜けの達人である荷物係クラクストンが密かに脱出して山賊を倒し、女優マージョリーとの恋を実らせる。
役割主人公
厳格で偏見に満ちた孤独な富豪。偶然観劇した寸劇を通して、勘当した娘の困窮と深い愛情を知り己を省みる。
役割家族・触媒
サミュエル・バートンの実娘。売れない画家と結婚して勘当され、貧困の中で家族劇に出演している。
役割主人公
アメリカの大富豪の娘。女優になる野望を叶えるため、実家の破産と自身の失踪を偽装し、舞台で大成功を収める。
役割協力者
演劇界で暗躍する大物興行師。オードリの企みに協力し、架空の女優やスキャンダルを巧みに演出する。
役割主人公・犠牲者
人情に厚く慈悲深い貴族の婦人。自身の荘園に劇団を招くが、偽者の女優に騙されて宝石を盗まれてしまう。
役割敵役
オーストラリア出身の元女優で脱走女囚。ヒルと名乗って代役女優になりすまし、見事な演技で周囲を騙して宝石を奪う。
役割敵役
人気の二枚目俳優。持ち込まれた素人の台本を盗作して自作だと暗に仄めかしていたが、手配師に真相を暴かれる。
役割主人公・協力者
マニントン夫人の秘書。ハーコートの話からかつての恋人が劇の真の作者であることに気づき、彼を探し出す。
役割協力者
ドロシーの恩人であり業界の事情通。罠を仕掛けてハーコートに盗作を認めさせ、真の劇作家をおびき寄せる。
役割主人公・その他
インディアン少女劇団の道化役者。借金取りの小悪党に対して蛇使いのインディアンに扮し、機転で売上を守り抜く。
役割主人公
歌劇団の荷物係だが、実は手錠抜けの達人。劇団を襲撃した山賊を密かに脱出して撃退し、劇団員と恋に落ちる。
役割恋愛対象
歌劇団の美声の女優。病気の兄を養う心優しい女性であり、冷静で頼もしいクラクストンに惹かれ結ばれる。
役割敵役
オーストラリア奥地で歌劇団を襲撃した山賊の頭目。クラクストンの同窓生であったが、彼の手錠抜けの罠に嵌まり倒される。
勘当した実の娘
女優になるためのビジネスパートナー
親切にしたが宝石を盗まれる
かつて助けられた恩人
盗作の事実を突きつけて罠にかける
好意を寄せ合い事件後に結ばれる
手錠抜けの罠にはめられるかつての同窓生
時代背景
20世紀初頭
場所
劇場、ホテル、富豪の邸宅、刑務所近郊など
国
イギリス、アメリカ、オーストラリア
- 演劇や興行をめぐる機知と騙し合い
- 親子の断絶と愛情による和解
- 悪党へのしっぺ返しと痛快な逆転劇