一つ枕

柳川 春葉

青空文庫で読む
明治東京日本小説
怪異・幻想
あらすじ

ある男が友人に誘われ、吉原の青楼を訪れた時のこと。前夜から遊び続けて気が乗らず帰ろうとしたが、友人に引き留められ、三階の隅の部屋で一人休んでいた。周囲が静まり返る中、うとうとしていると、見知らぬ遊女が部屋に入ってきて枕元に座り、男を揺り起こそうとする。男は息苦しさに起き上がることもできず、ただ手で拒絶し続けるしかなかった。やがて廊下に足音が響き、男の相手である敵娼が部屋に入ってくると、見知らぬ遊女は違い棚の下にある戸袋の中へとすーっと姿を消した。男が夢から覚めたように体を起こし、すぐさま戸袋を開けて確認すると、中には油の染み込んだ古い枕が一つあるだけだった。恐怖に青ざめた男は敵娼に本当の理由を語らず、風邪のせいにしてそそくさと青楼を後にし、帰宅した。

登場人物4
おとこ
犠牲者
男性知識人

役割主人公・犠牲者

友人に誘われて吉原の青楼に滞在し、一人で休んでいた際に奇妙な体験をする人物。

見知らぬ遊女みしらぬゆうじょ
超越者
女性遊女

役割敵役・触媒

男の枕元に現れてうなされる原因を作った怪異。その正体は違い棚の戸袋にしまわれていた古い枕であったと暗示される。

敵娼あいかた
守護者
女性遊女労働者

役割脇役・恋愛対象

男の相手を務める遊女。彼女が部屋にやって来たことで、結果的に怪異が姿を消し男を救うことになった。

友人ゆうじん
放蕩者
男性知識人

役割脇役・触媒

男を青楼に誘い、帰ろうとする彼を強引に引き留めて連日酒を飲んでいた遊び仲間。

人物相関3
見知らぬ遊女対立

枕元に現れ男を息苦しくさせる怪異

敵娼恋愛

青楼における男の相手

友人友人

青楼に誘い引き留めた遊び仲間

舞台

時代背景

明治時代

場所

東京・吉原の青楼

日本

テーマ
  • 遊郭における怪異
  • 古い物に宿る執念
キーワード
吉原青楼遊女違い棚戸袋油の染み込んだ枕